「春風ながさきより」展は、今春(2018年)で20回目を迎え、いわば記念の年となります。この発表舞台は開館19年目となるブリックホールギャラリーでした。同館の理念がブリック(レンガ)のように文化を積み重ねることですが、RING ARTもまさしくその歩みと共にアートの表現活動を築きあげてきました。「春風ながさきより」展は、公的な同館の開館以降毎年このギャラリーで作品発表活動を継続してきたことは他に類を見ないでしょう。
20回目の記念にあたり、多摩美術大学から木嶋正吾教授をお迎えして、「ギャラリートーク」の鑑賞会をお願いします。木嶋教授には、美術の専門家はもちろんのこと、誰にでも分かりやすい言葉でアート、特に現代美術を語っていただきます。よれによって参加者の皆様はアートの魅力や美的な感性を得ることになるでしょう。もう一方でヨーロッパの西の果てのポルトガルの、長崎市の姉妹都市ポルト市からポルト大学のラランジョ教授の作品も招待作家として展示します。
木嶋教授は、これまでのRING ARTの展覧会に数多くご参加いただき、アートによる国際交流や平和など私たちの活動を支援し、かつ注目されて来られました。この記念の機会に木嶋教授の作品をご紹介するとともに、ギャラリートークでは、東京の若者たちのアートの現状や、今回の出品者の発表についてご鑑賞いただければと願っています。また、アーティスト志望や美大進学の若者らの皆様方にも、是非21日の木嶋教授の鑑賞会にご参加願えればと思います。さらに、文化報道関係者、報道機関の方、美術館関係の方々にも参加していただき、地域のアートの現状や未来について考えていく機会となればと願っています。
同様に本展後半の27日のギャラリートークでは、慶北大学校申京愛講師、川田剛講師による鑑賞会があります。
本展の活動で最も記憶に残るのは、11年3月11日の東日本大震災と福島原発事故発生直後、ポルトガルから招待したポルト大学 フランシスコ・ラランジョ教授、昨年ご逝去された元慶北大学校 朴南姫教授、そして昌原大学校の姜バレム教授の3人は、日本への入国自粛ムードが高まる中、勇気を持って奇跡的に来日されたことでした。そこにアートによる国際交流がアーティストらの絆を強め、更には私たち日本人に希望や元気をいただけたことは言うまでもなく、「本当にアートって、すごい!」と感じたことはありませんでした。
二つ目のトピックスは、この3.11の劇的なアーティストらの再会後の2012年に韓国・慶北大学校美術館主催による同大学美術館で、2013年にはポルト大学芸術学部主催で、同大学ミュージアムにて展覧会を、何れも「春風ながさきより」というタイトル名で開催したことです。このことはRING ARTの活動の国際的な評価を高めていただきました。
市民に開かれたアートの場を提供しながら、長崎発のアートシーンを展開しています。多くの方々のご来場、ご参加をお待ちしています。
期 間 : 2018年1月21日(日)~1月27日(土) 10:00 ~ 20:00(最終日15 : 00まで)
会 場 : 長崎ブリックホール 2F ギャラリー
ギャラリートーク:1月21日(土) 13:30~15:00 多摩美術大学 木嶋正吾教授による鑑賞会
1月27日(土) 13:30~15:00 慶北大学校 申京愛講師と川田剛講師による鑑賞会
主 催 : RING ART
後 援 : 長崎県、長崎市、長崎県教育委員会、長崎市教育委員会、駐日ポルトガル大使館、駐福岡大韓民国総領事館、
在名古屋ブラジル総領事館、一般財団法人日本ポルトガル協会、長崎日本ポルトガル協会、朝日新聞社、
西日本新聞社、毎日新聞社、読売新聞、西部本社NBC長崎放送、NCC長崎文化放送、KTNテレビ長崎、
NHK長崎放送局、NIB長崎国際テレビ、長崎ケーブルメディア、エフエム長崎
出 品 者 : 井川研究室(長崎大学)OB(韓国・中国からの留学生を含む) 、県内外のアーティスト
〈招待作家〉
木嶋 正吾(多摩美術大学教授)
フランシスコ・ラランジョ(ポルトガル・ポルト大学教授)
姜 バレム(韓国・昌原大学校教授)
〈特別出品〉
申 京愛(韓国・慶北大学校講師)
川田 剛(韓国・慶北大学校講師)
イヴォネッチ・カヴァルカンチ(ブラジル・アーティスト)